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大ピラミッド皆神

in Nagano Pref. /Gigantic artificial Pyramid Mt.Minakami in Matsushiro Basin

Copyright(C) by Taizan 1996-2010
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長野県松代は真田家が本拠地とした信州の小京都です。 北、東、南の三方をぐるりと山で囲まれた松代盆地。 そこは喩えれば山間部の中規模の湖のようなのどかな景色です。 その中にぽっかりと皆神山は浮かんでいます。

長野側から善光寺平を抜け、長野電鉄線の松代駅を見渡す最終地点が皆神山です。 この情景が最も皆神山をピラミッド的に映し出すものかも知れません。 松代盆地といえば最も有名になったのが松代群発地震でしょう。 実は松代群発地震の震源は皆神山の直下であり、皆神山に地震観測装置が 据えられてから、群発地震が起こるようなったそうです。

さて、ピラミッドと巨石を探訪する者の視点から言うと、皆神山は 2つの点で大変に興味があります。その一つは、皆神山は未完成のピラミッドであり、 仮にそれが完成されていたならば世界最大のピラミッドになるというものです。 二つ目は、その築山方式が振動抑圧法という太古の特殊な超技術で、ごろた石を 空中に浮かせながら一気に造り上げられたとされる、得意な形態なゆえです。 皆神山の築山方式に関しては山田久延彦氏が仮説論理学という新しい視点で 明快な考察をしていますが、この山を訪ねてみると、なるほどと思われるところが 多いのが分かります。

私が日本のピラミッドや巨石に直接触れる旅を続けるのも 太古の超技術観をエンジニアの眼で確かめたいという気持ちが強いからです。 皆神のことを現地では古く群神と言っていたそうです。皆神山自身にも 周囲の地域にも多くの神が祭られている松代盆地全体が神聖な地として 崇められてきたように思えました。

皆神を訪ねたときも快晴に恵まれ、穏やかな探訪を楽しむことができました。 この特集はピラミッドに関する”少し理屈っぽい”解説を のどかな曲で和らげながら楽しんで頂きたいと思います。

1996 泰山記

2010 高精細写真に置換え+補足



長野県松代盆地の中央に聳える皆神山。皆神山の北の滝本地区の小高い場所からの全景。 周辺の山々に囲まれたところが松代盆地である。その中に浮かぶように存在しているのが皆神山。 周囲4.5Km、底辺の長さ1.45Km、標高679mの山だ。写真でも不思議な存在感だが、実際に見ると嘆息する。



ごろた石と泥で積みあがった人工造山と言われている。 底辺の長さは1.45Km。未完成といわれる皆神山を ギザのクフ王のピラミッドに対比させて、完成した 高さを推測すると、対地高さ約400mの世界最大のピラミッドになる。 大ピラミッドであるゆえんだ。
三方をほぼ同じ高さの岩塊の山々に囲まれた皆神山は、 構造的にそれらとは全く異なる、小振りの石と泥の積み上げなのだ。 太平洋戦争中、大日本帝国軍がこの山の地中に大本営を築こうとして 断念をしている。それは「予想に反して」この山が岩石山ではなく トンネルを掘るに掘れない、石ころの山であったからという。 軍はやむなく掘ったところを弾薬貯蔵庫にした。 現在はそこに地震観測所が設けられている。



松代市内にある観光案内板。皆神山周辺が詳しく紹介されている。



皆神山部分の拡大。



皆神山頂上に掲げられた、人工造山説を謳った看板。
松代盆地という沼を、振動抑圧法によって地中から石が湧き出るように 造ったと説明されていた。この説を主張しているのは山田久延彦氏だ。
同氏によれば太古の優れた技術は石を浮遊させることができたという。 この発想は非常に興味深い。古代遺跡を訪れる旅を重ねると 「巨大な石を浮かせる」という記述に慣れ親しむことができる。 天柱石の特集で紹介した役小角もいともたやすく大岩を乱舞させたとある。
近代科学技術の常識という呪縛から一旦離れてみれば 皆神山の振動造山説は極めて説得力に富むのである。 いかなる方法であれ、重力制御によって巨石を運搬し、計画的に設置できれば 世界中の至る所にこの種の人工造山があったとしても不思議ではない。
グラハムハンコックが言及しつつあるようにエジプトのピラミッドやスフィンクス が1万年以上前の建造であるならば、ますます岩の浮遊技術を想定すべきであろう。 それこそ230万個の大岩を全てコンピューター上で綿密に管理、設置 することも可能であろう。人数も少なくて可能である。
話は変わるが、吉備地方にある日本最大級の古墳である造山(つくりやま)古墳は 当時150万人位がその構築に関与したとされているが、日本国中に 300万人程度しか人口がないとされる時代に、150万人を動員したと 考えるのが妥当か、それとももっと別次元の優れた技術が存在していた と考える方がよいか、既成概念を払拭すれば後者の方が「生理的に」 論理矛盾がないとは言えまいか。そのように根本的に歴史観や技術観を 考え直すべき時季なのである。この前提がないと真実は永久に闇の中である。 21世紀の人間は圧倒的に聡明にならなければならない。



皆神山山頂の神社の入り口にある”山門”。 神社に山門とは面白い組み合わせである。 ただし、流石に山門の番人は風神、雷神ではなく、 武者風の人物像であった。



山中で一番大きな侍従大神神社。 この少し奥に本命と思しき 熊野出速雄(くまのいづはやお)神社がある。



皆神神社参拝案内板



天然記念物のクロサンショウウオも棲息する沼。
底無し沼と言われているが、これが涸れることなく頂上にある。



侍従大神神社本殿



神社のすぐ裏手にあった、ご神木。 異様に変形しており、既に立枯れているようだ。



奥宮へ通ずる参道と鳥居。



昭和年代に建てられたカゴメの宮と説明文。 カゴメと言えば、伊勢神宮の石灯篭にも刻まれている ダビデの6光星が思い浮かぶ。 ”群神山”らしいしつらえではある。



「天地カゴメ之宮建立由来」の石碑。16枚の菊花弁に六芒星 のマークが。



皆神山奥宮の熊野出速雄(くまのいづはやお)神社



皆神山の霊的本命の奥宮の裏側にある御聖井跡。 近くに沼があることを考えれば、水が湧き出していたことも 当然考えられる。 五葉山の特集でも述べたが山頂に清水が湧き出している例は結構存在する。



皆神山8合目付近で見つけた土塁。 人工的な積み上げであり、吉備の鬼ノ城の土塁と同様な造りだ。



岩戸神社入り口案内板。登山道からちょっと入った所にある。 最初はうっかり見落としてしまった。



岩戸神社入り口



岩戸神社の石積み。五葉山の岩戸神社とは違って この岩戸神社は明らかに人工的に正確に造られている。 この構えや造りは言うまでもなく、エジプトのピラミッドの 王の間への入り口を彷彿とさせる。



岩戸神社の内奥。 奥のきちんと組まれた石組みの奥は 全くの未調査である。 エジプトのピラミッドも構造的には 重要な構造体は花崗岩で創り、周辺を膨大な 石灰岩で積み上げている。皆神山のこの岩戸神社の 奥はごろた石ではないこういう石で組まれていることが 予想される。



中腹にある御神木の赤松。 巨大なご神木もピラミッドには付き物である。



皆神山の北を囲む滝本地区の山並み。 この山は皆神山とは違って、岩塊の山である。



周辺の山々もそれなりに美しく興味を引かれる。 これはその山中にひっそりとあった称名の滝。 柱状節理を見せる岩山から一面しぶきとなって流れる滝は美しかった。 人があまり訪れることもないせいか、水がきれいで、 滝の真下で虹を見ながらひととき心地よい時間を過ごした。


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