暑い暑い六甲の夏。
六甲には何度も行きましたが、神戸、六甲というと真夏の暑さが頭をよぎります。
六甲が暑い理由ですか?それは甑(こしき)岩があるからなのです…。
甑(こしき)とは大きな円筒形の酒を作る蒸し器のことです。
兵庫県の六甲山系には巨石が群れをなして存在しています。その中でも特にユニークなのが
ここで紹介する「甑岩」でしょう。六甲地域にはピラミッドであるとされる甲(かぶと)山もありますが、
やはり越木岩神社のご神体である「甑岩」が六甲メガリスゾーンの最重要物件です。
少なくとも私はそう見ています。越木岩神社は江戸時代に創建された比較的新しい神社で
甑岩を文字って越木岩神社と名づけたものでしょう。こういう当て字は本当に日本各地に多いですね。
真実を探究する旅人は、常に言葉の深意(真意)を考察する必要があります。
甑岩はその形態も円筒形の甑そのものなのですが、それにも増して、この甑岩が
酒づくりの蒸し器のように「熱い湯気」のようなものを吹き出していたという逸話が
非常に興味を引きます。第22集の苗木城跡のところでも、地に棲む龍の吐く息で
いつも靄のようなものがかかっていたと、紹介しましたが、甑岩も岩の裂け目から
蒸気のようなものを吹き出していたと言われています。また、甑岩の表面には
不思議な裂け目があり、タイルを貼ったような形状のようにも見えます。
六甲メガリスゾーンには甑岩以外にも無数の巨石がありますが、それらの多くは
現在、神社やお寺、あるいは、かの六麓山荘の豪邸の敷地の中に密かに眠っています。
百万ドルの神戸の夜景を見下ろせる天狗岩や北山の巨石はすっかりとデートコースに
変貌しており、六甲山系が一大巨石文明圏であったことは今やすっかり忘れ去れています。
既報の吉備、宮島、白石などと関連付けて六甲メガリスゾーンを見つめれば、
神戸、六甲が一種独特の雰囲気を持っていることに気付きます。
六甲山系は私の目には、超古代の巨大テクノゾーンに映るのですが…。
Rokkoh area in Hyogo Pref. has a great Megalith zone.
Kabuto(armor) mountain has been recognized as a Pyramid.
However, Koshiki Rock is far more unique and grave object for me.
Koshiki means,in Japanese, a big cylindric steaming apparatus
making Japanese Sake(alcoholic beverage).
Koshiki Rock is not only cylindric-shaped but also said to be once
actualy hot with heat and steam. Rokkoh Megalith could be called
an ancient super technology zone somehow, at least for me
1996 泰山記
2010 高精細画像に置換え+補足
越木岩神社を訪ねたのは1992年の初夏だった。その2年半後の1995年1月に阪神淡路大震災が起こり、甑岩よりさらに奥に鎮座していた
”北の座”が残念ながら崩れ落ちてしまったと聞いた。その後地元のご尽力でなんとか修復されたようであるが、大震災前の真の姿とは若干違うだろう。従って、これらの写真は原型を保っていた頃の磐座写真として重要であると思う。
大自然の力によってこうした貴重な巨石遺構が少しづつ変形や崩壊してゆくことは実に残念ではあるが、中には六甲の天狗岩のように大震災にもめげずに
原型を保持している巨石もある。巨石を探究しつつも、これらを直接・間接に保持してゆこうとする姿勢は我々には必要であるとつくづく思う。