”慧”小論文


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Conceptual- Design- Laboratory

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1997年8月1日;ウエッブワークの不思議…文責;山口泰幸

私がプロデュースを1年間超行ってきた、デザイン関連の 実践プロジェクトがこの7月末のプレゼンテーションを以って終了しました。 お蔭様で良い作品が生まれ、私の戦略的仕掛けも功を奏し、展示は成功でした。 今回私が検証したかったことの一つが”ウエッブワーク”という概念です。 今回のプロジェクトが成功した大きな要因の一つがこの”ウエッブワーク”なのです。 以下、私が今回のプロジェクトを分析した論文から抜粋してご紹介します。

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ウエッブワークの本質 

今回のプロジェクトの華は何といっても、「商品化」とこの「ウエッブワーク」であろう。 ウエッブワークについては「21世紀のビジネスシナリオ」で詳述したが、 簡単にいえば蜘蛛の巣の上での複相的な人と人との関係構築と業務遂行のことである。 今回のプロジェクトにおいても全てのテーマのなかでウエッブが積極的かつ自主的に構築 され、構築されたウエッブを巧みに活用して、新たなウエッブの形成やウエッブ ワークの増殖がが見事に完遂されている。

自分の好きなことから発して、技術の調査に出向きそこでたまたま出会った 人から、本来求めていたテーマに最適な人を紹介されるという事例や、飛び込みで 訪問した先の人から新たに身体障害者を活用した新しい手造り生産方式に行き着いた 事例もある。さらに個人的な相談がやがて企業や組織同士の公のおつきあいにと発展 していった事例もある。また、情報空間としてのウエッブツールを開拓した結果、 人的な繋がりが広がりだし、情報空間のなかでウエッブワークを実行している例も ある。しかも重要なことは、このプロジェクトにおいて一端形成されたウエッブは現在もそして 将来的にも存続しうるということなのだ。ウエッブが存続すれば当然ウエッブワーク も継続されるのである。一度生まれたウエッブ及びウエッブワークは プロジェクトを仕掛けた組織の自身の資産 であると同時に、それを構築した個人の資産でもある。ウエッブワークの本質には こうした意味もあるのだ。

ライアルワトソンがその著書である「ネオフィリア」の なかで次のようなことを述べている。私たち人間は不思議な感覚というか能力を 持っている。私たちが真剣に求めれば求めるほど、真に必要なものや人は向こうか ら訪れるというのだ。このなかにウエッブワークの秘密が隠されているような気 がする。つまり、私たちが何かを真剣に求めたとき、そこには既に理想的な仮想 のウエッブが用意されていて、「場における行為的直観」を実際に場や人のなかで バタバタともがくようにしていると、やがてその振動が周囲に伝搬してついには本命 の蜘蛛に知らされ、蜘蛛が向こうからやってくるという図式である。真剣にもがく ということは、とりもなおさず真剣に気持ちを伝えるということである。

その振動は本来行くべきところに的確に直ちに届くということであろう。従って、 場へ飛び込むということ、そこで真剣に全力でもがき情報を発信することがウエッブ ワークでは最重要なのである。そしてその結論は、最も適したものが予想以上に 迅速に、向こうからやってくるように入手できるということなのである。ウエッブ ワークの本質とはまさにここにある。メンバーの一人は今回の活動を振り返って、 次のような感想を述べている。それは「ラッキーなこと が連続していた」ということであった。上記のウエッブワークの本質で考えるならば、 ラッキーの連続は偶然ではなく必然である。それを可能にしたのは積極的な場への飛 び込みと真剣な思いの発信である。実際そのメンバーの行動はそのとおりのことを してきているのである。的確に、そして迅速に新しいモノやコトを創造するのは 創造的な集団にとって必須のことである。

ウエッブの早期の構築とウエッブワーク の実施は、偶然ではない必然としての「幸運」、即ち良い成果を生み出すための 具体的なエンジンとなるだろう。場と人との共鳴現象ともいえるウエッブワークに ついては、今後デザイン系組織体や他の先取的な組織においてさらに検証事例を積み重ね、 独創的な手法のひとつとして定着化を図る必要がある。

拙著「21世紀のビジネスシナリオ」でもウエッブワークについての概念構造化 とその重要性は投げかけてあるが、 本プロジェクトにおけるウエッブワークの成功実績は、その一点だけ捉えても既 に21世紀的なプロジェクトの実践事例として成立しているのである。 いずれにせよ本プロジェクトのメンバー は積極的に実際の場のなかで動き廻り、ウエッブを創りながら、同時に ウエッブに揉まれながら有効にウエッブワークを実施してきている。そのノウハウは 母体企業へといずれ還元されるはずである。

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